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2011年6月12日日曜日

居酒屋の話にこそ真実があったりなかったり

世の中のおやじは二種類に分かれる。
「酒の席で面白い話が、できる人とできない人」

人間、酒が入ると、ついついえらそうなことを
言ってしまうのはご愛嬌。

でも、そこには時として、面白い話が転がっていたりするのもまた事実。
無責任であるし、しがらみから外れている
そんな立場だからこそ、真実が言えたりする。

昔、小松左京の小説「日本沈没」が流行っていたころの話だ。
あるサラリーマンが、バーで酒を飲みながら
「世間では日本沈没っていうのが流行っているようだけれど、
日本以外みんな沈没してしまったら面白いのになぁ」って
馬鹿話をしていたら、背後から身なりのいい紳士が
「もし」と声をかけてきた。
なんです?と聞くと
「その話、大変面白いと思いますので、
そのアイデアを私に五万円で買い取らせてください」
サラリーマンが「えっ?」ってなっているところに
その紳士は本当に五万円おいて帰った。

こうして作家の筒井康隆が「日本以外全部沈没」を書き上げて
第5回星雲賞短篇賞受賞を受賞した。
という、本当かウソかわからない話がある。

一応、公式には、「日本沈没」の小松左京のパーティーで
SF作家の星新一が題名を考えたものを、
筒井が小松の許可を得て書き上げたことになっている。
のちに星雲賞の受賞パーティーで、小松左京は
「「日本沈没完成」まで9年かけたのに、筒井氏は数時間で書き上げて賞を攫ってしまった」とぼやいたと伝えられている。

パーティーかバーか、いずれにしろ酒の席には変わりなく
酔った人たちの無責任なお話も、
意外に意外と転がるかもしれないというお話。


このブログも転がると良いのにね。