味を表すときに、
「甘味」「塩味」「辛味」「苦味」「旨味」を
併せて「五味」という人がいて、
それに当てはまらないから「珍味」という
とまこと、しやかにいう人がいるけれど、
そもそも「五味」っていうと仏教なんかで
牛乳を精製するときの味の変化をいっていたものらしい。
最初の「乳味」から始まって
「酪味」「生酥味」「熟酥味」と来て
最後になじみのある言葉の「醍醐味」にたどり着く。
醍醐というとチーズのようなものだと考えられているけれど
日本ではよく「珍味」と称してチーズを使った製品を
売っているのを考え合わせてみると、なかなかおもしろい。
ちなみに「熟酥味」というのは、
サンスクリット語では「サルピス」というらしい。
そう。「カルピス」の語源だそうだ。
元々「カルピス」は、
モンゴルで飲まれていた「ジョッヘ」という
飲み物が元になったというのだけれど、
これから水分を飛ばして、加熱すると
「シャルトス」という食べ物になる。
いわゆる「モンゴルバター」というものだが、
モンゴルデは塩気の強いミルクティーに
この「モンゴルバター」を溶かして
肉や穀物なんかを入れて食べるのだそうだ。
日本人にとっては、あまりなじみのない食べ方で、
たしかに珍味ではあるが、かなりうまいのだそうだ。